読み聞かせ(2026年6月4年生)『シカしかいない』『らくごえほん てんしき』

千織庵の読み聞かせ
千織庵

おはようございます、こんにちは、こんばんは。千織庵です。

6月は2回、クラスは別ですが 4年生への読み聞かせをしてきました。

読み聞かせの時間は15分なので、今回もその尺に合うようこちらの2冊をチョイス。

  • 『シカしかいない』(キューライス 著、白泉社)
  • 『らくごえほん てんしき』(川端 誠 著、KADOKAWA)

どちらも、言葉遊びというかダジャレのようなものを使った、肩ひじ張らない楽しい絵本です。

子どもたちもクスクス笑ってくれたので、面白かったんじゃないかなと思います。


それでは、それぞれの詳細へ レッツラゴー!!

『シカしかいない』作・絵 キューライス


『シカしかいない』ってこんな感じ

もうね、率直に言います。
キューライスさん 好っっっき―――!

まず絵柄が可愛らしい。しかもただ可愛いだけじゃなくて、どこか含みを持たせたというか・・・何とも言えないシュールさのある可愛らしさなんですよね。

タイトル通り、この絵本にはたくさんのシカが出てくるわけですが、基本的にはあまり感情の読めない表情をしているので(でもチョイチョイ大げさなくらい感情をあらわにしているシカも配置されていて、その塩梅がまたいい)、それが本文の(良い意味での)くだらなさ、言葉遊び感を際立たせるのに一役買っています。

あ、そうそう、この絵本にはストーリー性はほぼ無いです。
私たち人間の日常生活を シカに置き換えたようなシーンがいくつも出てくるんですが、それも結構 唐突に切り替わる。

それなのに、ですよ。読み手も聞き手も キューライスさんの紡ぐシュールなシカ世界に引き込まれていってしまうんですよねぇ。

シーンごとに「なんじゃこりゃ?」なシカさんやその他諸々がいるので、絵探し絵本的な要素でも楽しめます。
だから教室でなく、おうちでじっくり読むのもいいですよ。

娘とも「何かヘンなのいる!」とか「あ、コレまた出てきた!」と盛り上がれたので、読み聞かせ用でも寝かしつけ用でも普通に読む用でも、どんな用途でもいけると思います。

読み聞かせとしての『シカしかいない』

読み聞かせにかかる時間は2~3分程度。

導入用の本としては適した長さかなと思います。

その日担当する学年や、メインで何を読むかによっても変わりますが、私は大体 導入用として1~2冊、メイン用として1冊というバランスで本を選んでいます。

飽くまで私の、導入用としての基準は「短い」「面白そう」。

そういう意味ではこの『シカしかいない』は最適です。

標準的な絵本のサイズなので普通に読む分には何の問題もありませんが、教室内で読み聞かせをするには若干サイズが小さめ(それ用に作られてはいないので当たり前なんですが)なので、「見えづらい子は自由に前の方に来てね~」などの声掛けはしました。

読み方は、あえて淡々と。
キューライスさんが描く世界観に乗っからせてもらう感じでやりました。

スポーツをしているシーンでは主に擬音語で展開していくので、そこは段々読むスピードを上げていったり 部分的に実況風にまとめたりして、読み手側もそのシーンごとに表現させてもらえてとても楽しかったです。

子どもたちが笑ってたら、私も一緒に笑ったりしてね。
そういう時間が何ともほっこりして好きなんですよねぇ。

『らくごえほん てんしき』作・絵 川端 誠


『らくごえほん てんしき』ってこんな感じ

子どもにも分かりやすく、また 絵本として長すぎない程度にうまくまとめた、古典落語「転失気」を題材とした らくごえほんシリーズの内の一冊。

知らない言葉を知ったかぶりする大人たちと、それに気付いてちょっとしたいたずらを試みる子ども(お寺の小僧さん)。
知らないのに知っているフリをしたい側と 知っている側との、とんちんかんなやりとりが笑いを生む王道のコメディです。

「らくごえほん」シリーズはKADOKAWAから出版されていますが、それ以前にも似たような感じの「落語絵本」シリーズ全15冊がクレヨンハウスから刊行されているようで、合わせるとそれなりの冊数になり書架でも目立つため、図書館の絵本コーナーで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。

川端さんの、老若男女問わず伝わりやすい、柔らかくユーモラスな画風。

そして何といっても、話芸としての落語を絵本として、読み物として ちゃんと面白くさせる題材の取捨選択・再構成力の高さ。

題材となる「転失気」には重要なツールが出てくるのですが、それが落語だと盃(さかずき)なんですね。でも川端さんの絵本ではよりオチを分かりやすくするため、それをあえて別の物に変えていて。
それがまた全然違和感がないんですよねー。

そもそも小学生に盃と言ったところで明確にイメージできる子も少ないと思いますし、むしろ川端さんバージョンの方が大人の私でも面白いと思ってしまうくらい、組み立て方が秀逸です(何に変わっているのか、ぜひ絵本を読んで確かめてみてください)。

元々 このシリーズには興味があって、いつかチャレンジしてみたいなと思っていました。

それを後押ししたのが、2026年4月から6月まで放送されていたアニメ『あかね噺(ばなし)』です!

いやぁ、これがまた面白くて。

メインキャラを担当されている声優さんたちが、噺家さんにガチで稽古をつけてもらい、実際に高座に立ち演目を披露する・・・なんてことまでやっていて、制作サイド本気度がうかがえます(アニメの『あかね噺』公式のYouTubeアカウントでその模様が見られますので、ご興味ある方はぜひ)。

で、単純なもんで すーぐ影響されちゃってですね、こちらを手に取った次第です。

「ときそば」や「じゅげむ」、「はつてんじん」や「まんじゅうこわい」などとも迷ったのですが、私の得意分野である(と 勝手に思ってる)声の使い分けが活かせそうな構成なのと、笑いのポイントやオチの意味など、4年生ぐらいからが一番分かりやすいお話かなと判断して「てんしき」を選びました。

読み聞かせとしての『らくごえほん てんしき』

読み聞かせにかかる時間は8~9分程度。

メイン用の長さとしては、中学年くらいからはこの程度が丁度いいと思います。

本家の落語もそうなので、当然 絵本もそうなのですが、こちらはオチで笑いを取るというよりはその過程で笑いが生まれます。

ですので、小僧さんに振り回される大人たちのリアクションをほんの少し大げさ目にやってみましたら、教室のあちこちでクスクス笑い声が聞こえて こちらも気分が良かったです(笑)。

具体的にいうと、和尚さんが小僧の珍念さんに騙されて、来訪したお医者さんに勘違いしたまま話を進めてしまう辺りですかね。

自信満々な和尚さんの言動に、逐一 驚いているお医者さんという構図を、台詞回しで少し強調するイメージ・・・と言ったら分かりやすいでしょうか。

ただ、そういう小手先を使わず普通に読んでも面白く作られているので、そこは変に気負わなくても大丈夫かと思います!

本の大きさも、縦30㎝・見開きで幅42㎝程あるので、教室での読み聞かせにも向いています。
勿論、おうちで読むのも問題ありませんよ。

ちょっと脱線しますが、6月5日は「落語の日」だそうで。

うちの小学校の読み聞かせ日の初回がたまたま同じ日だったこともあり、それを理由に らくごえほんシリーズから読み聞かせ用の本をチョイスしている図書ボランティアの方もいました(私は初耳で、その方から聞いて知りました)。

他にも、6月の第一月曜日が「寄席の日」だったりと、6月は落語と縁の深い月のようで、気の向くままに選んだジャンルがそういうことに繋がる小気味よさを感じることもできました。

まとめ

キューライスさんも川端さんも著作が多いので、今後も登場する予感がビシバシしております。

キューライスさんで他に気に入っている作品は『ドン・ウッサ』シリーズ。
親分ウサギとその子分たちのやりとりが面白カワいくてたまらない おススメの作品なので、こちらも近々ご紹介できたらなと思います。

川端さんのらくごえほんシリーズは、また作品を変えてチャレンジしてみたいなぁ。

そうそう、落語は 小学生くらいだと、オチが分かりづらくてポカンとしてしまう子がちらほら出てきます。

他の図書ボラさんとも話してたんですが、中学年くらいからがベターかなと。

3年生の後半ぐらいから取り入れていくと、言葉の意味や話の展開、その先に潜む面白みなんかを、こちらがいちいち説明せずとも自然に理解してくれる子がグッと増えますので、読む側も聞く側も戸惑いなく進められるのではと個人的には思います。


それでは、今日はこの辺で。

ちおりえらびが少しでも あなたえらびの参考になりましたら幸いです。

また次の記事でお会いしましょう!



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千織庵 (ちおりあん)
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